様々な草を織り上げて使うことはたぶん人間の文明とともにあったと思われます。稲と共に人類が栽培した最も古い作物なのではないかと言われています。青森の三内丸山遺跡からは5,500年前の縄文人のいぐさポシェットが出土したと言うことです。
日本のいぐさはその中で独特の発展を遂げ、畳として茶の湯の中で欠かせない詳細な構造を定められた造作として、あるいは同様に仏教上の法具としてきわめて厳格なつくりを持った文化的生産物として発展することとなったようです。
日本のいぐさは職人技のいぐさとしての性格をもっており、中国をはじめとする他のアジア諸国のものとは歴然とした差があると思えるのです。
因みに、きわめて美しく、しかも強靱な日本のいぐさは私達の経験的評価で言えば中国のそれと比較して5倍から10倍の耐摩擦強度を持っています。
しかし、この強度は実際には使ってみなければお客様に理解していただきにくい性質のものですから現在の流通では評価の基準から外されてしまっているのです。
お客様は自分が中国のいぐさか日本のいぐさかの選択をする権利を当然持っておられるのですが、現状ではその情報の提供を受けているとは言い難いのも事実です。
またこれから先は悪口の部類に入りますが、中国という国はきちんと法制的に管理されている国ではありません。ISO(国際基準)の専門家の雑談を聞いたところ、ISO取得企業の中で日本並みの管理が出来ている工場は5%にしか過ぎずあとは袖の下次第ということでした。確かに私自身が経験した中国の工場でも「有機栽培のいぐさ」などと言って売りに来るいぐさが窒素過剰で黒変しているというのは日常茶飯事です。ましてや日本のように定められた農薬を定められた使い方でなどと言うことはこれほど喧しくなった今でも中々難しいことだと言わざるを得ません。農家の横に捨てられている農薬の入っていた袋を見るとぎょっとすることが多いのも中国ならではと言ったところです。
いぐさの本質は人の肌に触れてその力を発揮するところにあると私は考えています。だからこそまっとうな日本のいぐさを是非お使いいただきたいと日夜努力を重ねているところです。
- 2009-08-25 (火) 15:33
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